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「言霊信仰批判」の解体

 井沢元彦氏の日本文化批判のタームとしてしばしば登場する「言霊信仰」という、批判対象に向けられたラベルは有効ではありえず、むしろ不当な差別を作り出し有害ですらありえる。つまり、日本の悪弊を正そうとするものにとって自家中毒の原因になるということを、ちょっと畏友と議論してみたところ、批判内容が良く分からないので箇条書きにするなりして、文章でまとめてくれないか?とリクエストを受けましたので、ちょっと書いてみることにします。

1、用語の無効性

  ①古代の言霊信仰のあり方を誤解している。

  ②誤解された「言霊信仰」を、近代以降の分析に用いて事実をミスリードしている。

  ③近代以降の事象の分析概念として、有効ではなく、実効性もない。

  ④一般事象である言語信仰・文字信仰を、日本固有の独立実在する事象であるとする

   誤認を誘発する。

2、用語の作り出す社会的問題

  ①「言霊信仰」に関する誤解に基づく、「言霊」信仰に対する不当な差別を作り出す。

  ②「言霊」信仰を含む体系的神道の伝統性を捏造し助長する

  ③社会的無責任の事実から注意をそらさせ、事実理解を妨げる。

  ④神道/儒教道徳非宗教説の一般理論化を幇助し、政教不分離を保護・温存する。

 1、2は対応関係にあり、①は「言霊信仰」批判に関する学問的問題と社会的問題。②は「発明」された「言霊信仰」概念が引き起こす問題。③は「言霊信仰」批判の無効性によってひき起される問題。④は派生的に他の問題群に与える影響です。

 長くなるので、今日はここまでにしますが、要望があれば後日さらに詳説します。

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